ふたつの土地

2008年の冬、デリーに降り立ったとき、視界がいっぺんに埋まった。人の波、熱気、土埃。クラクションと排気ガスが混ざり合って、自分がどこにいるのかわからなくなった。

インドに関わり、いつの間にか16年が経った。

今は播磨の古民家で、5時前に起きる。縁側で瞑想し、呼吸だけの時間を過ごす。白湯を飲んで、仕事を始める。田んぼがあり、インドから届いたスパイスがある。

HARIORIは、わたしのこれまでから生まれた。

インドと播磨、ふたつの土地を生きる

2008年、初めてインドの地に降り立ったとき、路上で煮出されるチャイの湯気に、言葉にならない何かを感じた。

それから16年、美味しいチャイを求め続けてきた。

いつしか日本の暮らしにもチャイがあたりまえになり、お米の収穫の合間に飲む一杯は格別だった。

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なぜ、スパイスとお米なのか。

インドで出会った料理は、カレーだった。スパイスが重なり、香りが立ち、皿の上に一つの世界ができる。その中心に、いつもお米があった。

播磨の田んぼに立つとき、インドの農園で見た風景が重なることがある。水、土、命の循環。場所は違っても、食べることの本質は同じだと気がついた。

偶然だったのか、必然だったのか。インドのスパイスと、播磨のお米。ふたつの文化と関わり続けてきたことが、今のHARIORIに繋がっている。

これまで関わってきた文化を継承し、未来へと繋げたい。その思いが、HARIORIの根にある。

未来の笑顔を、今育てる。